・月約90件の出張者カード発行や来訪対応による、総務業務の中断
・ビル共用部とオフィス専有部の別管理に伴う、管理者・利用者双方の手間
・優秀なソフトウェア人材が求めるレベルの、滑らかなデジタル環境の不足
・大規模ビルのシステムとスムーズに連携できる実績と安心感
・「迷わない・待たない・止まらない」を可能にするシームレスな設計
・「早く・軽く・安く」導入でき、他拠点への展開もしやすい拡張性の高さ
・拠点管理業務の工数削減の寄与(5.2人月 から 2.3人月 へ。約3人分を削減)
・出張者・来訪者へのカード発行や返却、紛失時の対応がほぼ不要に。
・空予約自動キャンセルによる、会議室の利用効率向上
・定型業務自動化による、外部との交流や共創など「攻めの総務」へのシフト
藤高さん: 現在、自動車業界の競争軸はハードウェアから、ソフトウェアやサービスがもたらす「移動の体験価値」へとシフトしています。マツダが持続的に成長するためには、ソフトウェア領域の強化と優秀なIT人材の確保が最優先課題でした。 そこで、IT・ソフトウェア人材が集まる首都圏での採用競争力を高め、先進環境を整備することを目的に新たに「マツダR&Dセンター東京」を開設。同時に東京本社を麻布台ヒルズへ移転しました。ここは研究開発・マーケティング・採用機能を集約した中核拠点です。多様なパートナーと日常的に交わり、新技術の共創やブランド発信力を強化する狙いがあります。 また、オフィス運用中のシステム導入はハードルが高いため、拠点が変わるこのタイミングで、オフィス全体のドラスティックなDXをやり遂げたいという明確なテーマもありました。

藤高さん: 数万人規模の広島本社では、新しいシステムや大胆なワークプレイス改革を一気に進めることが困難な側面があります。一方で、規模がコンパクトで最新トレンドに近い東京本社であれば、機動的に新しい取り組みを試すことができます。そのため、総務部門としては東京本社を「全社DXをトライアルする先進拠点」として位置づけました。まず東京で新しいオフィスDXを形にし、そこで得られた知見を全社へと横展開していくことがミッションです。こうした背景から、東京のみを想定した部分最適な仕組みではなく、他拠点にも展開しやすい拡張性の高いプラットフォームの導入を検討し始めました。

藤高さん: 旧オフィスでは、バックオフィス運用におけるアナログ特有の課題が山積していました。特に大きな負担だったのが、広島本社からの出張者や外部パートナーへの「入館カードの発行・管理業務」です。以前は出張者だけで月に約90件ものカード発行対応が発生していました。当時はエントランスにインターフォンもなく、総務もフリーアドレスで移動しながら働いていたため、来訪対応のたびに作業を中断して対応する必要がありました。業務が分断されるのは組織として大きなロスでしたし、紛失時の対応も含めて、入退室カードの貸出しは負荷の高い運用になっていました。
藤高さん: おっしゃる通りです。さらに、採用競争の観点でも危機感がありました。IT業界などから転職してくるソフトウェア開発者にとって、ストレスのない滑らかなデジタルワークプレイスは「あって当たり前の前提条件」です。入退室や受付、会議室の予約といった日常のタッチポイントがアナログなままでは、他社と同じ土台に立てません。移転を機に先進企業のワークプレイスを見学した際、スマートなオフィスDXが当たり前のように取り入れられているのを見て、旧来の運用を変えるべきだと確信しました。
藤高さん: 課題を根本から解決するため、移転プロジェクトチームは、新しいオフィスのコンセプトとして「出社したくなるオフィス」、そして社員の立場に立った「迷わない・待たない・止まらない」というスローガンを掲げました。複数のITツールをバラバラに導入するのではなく、来訪者受付、会議室の利用、入退室までのすべてのアクションが一本の線として繋がっている「滑らかな従業員体験・来訪者体験」を重視したのです。
この理想の体験設計を実現するための基盤として選んだのが、顔認証での入退室管理・受付・会議室予約を一元管理できる「workhub」でした。かつ、OutlookカレンダーやMicrosoftEntra IDと連携できることも必須要件でした。

藤高さん: 最終的な判断ポイントになったのは「麻布台ヒルズという大規模ビル側のシステムとスムーズに連携できる実績と安心感」にあります。
一般的なオフィス移転では、ビルの共用部セキュリティと、入居企業が管理する専有部のシステムが分断され、二重管理の手間が発生しがちです。しかし、麻布台ヒルズの内見時に、たまたまビットキーさんの顔認証システムが導入されたフロアを見学する機会があり、ビル側システムと連動している様子を目の当たりにし、これだ!と思いました。
オフィス移転は限られた期間の中で進める必要があります。ゼロから内製するのではなく、「早く・軽く・安く」導入できることを重視しました。workhubは、ビル設備や自社システムとの連携のしやすさに加え、導入実績もあり、安心して採用できる選択肢でした。将来的に広島の本社へ展開するモデルを考えても、既存のプラットフォームを活用するスタンスがベストだったのです。
藤高さん: 導入後に工数計測を行ったところ、拠点管理業務全体の工数が導入前の「5.2人月」から「2.3人月」へと減少し、約3人分の工数削減を実現しました。削減効果の過半を占めていたのは入退室カード関連の業務です。顔認証の導入によって、広島本社からの出張者に対するカードの発行・手渡し・返却確認といった対応が大幅に軽減されました。出張者は最初の1回だけ顔情報を登録しておけば、次回以降はカードを受け取ることなく、東京本社に入館できます。
篠原さん:社員とお客様を見分けるために今もカードは携帯してもらっていますが、 平日の日中は顔だけで入室できるようになりました。両手に荷物やPCを抱えて移動しているときでも、歩いて近づくだけで扉が開くため、社員からも「楽になった」「入退室がスムーズ」というポジティブな声が多く寄せられています。カードを紛失した社員への臨時貸し出し対応も、今ではほぼ不要になりました。

藤高さん: 今回の移転で東京本社の床面積は倍以上に拡大し、在籍人数も増えましたが、会議室の数は、「3部屋減らす」という決断をしました。これは、workhubで「空予約」※を自動キャンセルする機能が備わっていることを事前に確認できていたので、決断できたことでもあります。運用開始から約1年が経過しましたが、空予約は以前に比べて大幅に減少し、会議室の利用状況を適切に把握できるようになりました。その結果、現在のところ会議室不足が大きな課題になることはなく、限られたスペースを有効に活用できていると感じています。※予約したまま利用されていない状態
篠原さん: 以前は空き状況を確認するためにわざわざ会議室の前まで行っていましたが、現在は各会議室の入り口に設置されたタブレット端末をはじめ、自身のPC・スマホ画面から、空き状況が一目で分かります。急なミーティングでもその場で顔をかざして予約できるようになり、意思決定のスピード加速にも寄与していると思います。また、受付システムについても、来訪者の方から「スムーズで分かりやすい」という声を多くいただいています。初めての方には案内表示を工夫するなど、よりスムーズな受付体験へとブラッシュアップを続けています。
さらに、この最先端のオフィス環境は、重要視している採用活動や企業ブランディングでも強力な武器となっています。新オフィスになってから、社会貢献の一環として学生のみなさん(修学旅行や企業訪問など)の迎え入れをはじめました。スマホでは当たり前になった「顔認証」が当たり前に使われている様子を見て、多くの方が驚かれます。

藤高さん: 先日、全社のDX報告会で東京総務としての取り組みを発表した際、今回実現した「工数削減」や「顔認証によるシームレスな従業員体験」、「会議室利用の最適化」といった具体的な成果を報告したところ、経営陣から前向きな評価や期待のコメントをいただきました。特に、単なるコスト削減ではなく、新たな取り組みに時間を割けるようになった点について関心を持っていただけたと感じています。
藤高さん: これまで業務の多くを占めていた「カードの発行」「来訪者の受付対応」「会議室の空き確認」といった定型業務が自動化・効率化されたことで、総務がより柔軟に活用できる時間が増えました。この余白を「外部との共創活動や体験価値の向上」といった業務へとシフトさせています。例えば、麻布台ヒルズに入居している他の先進企業やスタートアップ企業との日常的な連携、学生との交流機会の創出などに時間を割くことができるようになりました。工数削減で終わるのではなく、総務本来の最重要ミッションである「首都圏でしかできない体験や活動の創出」にしっかり投資できていることこそが、今回のプロジェクトの本当の成果だと感じています。
藤高さん: 細かな使い勝手については、今もビットキーの担当者の方と継続的にブラッシュアップを重ねています。今後は、出張者や来訪者の手続き簡素化をさらに進め、より一層の人手に頼らないスマートな運用を実現したいです。また、顔認証などworkhubの機能を一歩進んだ「従業員体験(EX)の向上」に繋げられないかと妄想しています。例えば、朝にオフィスの入り口で顔認証をした際、その表情からAIがコンディションを分析して、「今日は少しお疲れのようですね。集中できる静かなエリアの席を予約しましょうか?」と提案してくれたり、社内カフェのコーヒーが1杯無料になるような遊び心のある仕掛けです。出社すること自体が少し楽しくなるような体験を提供できたら面白いですよね。ビットキーさんでは社内でいろいろな取り組みをされているとうかがっているので、単なる「システムベンダーと顧客」という関係を超えて、次世代のワークプレイスを一緒に共創していきたいです。

顔認証や会議室予約、受付システムは、従業員や来訪者が毎日のオフィス利用において必ず触れる最も重要なタッチポイントです。これらを個別システムとしてバラバラに管理するのではなく、一貫した「滑らかな体験」として再設計していくことこそが、総務部門の劇的な負荷軽減と、従業員体験(EX)の大幅な向上を両立させる唯一の鍵となります。
workhubは、オフィスの“入口から滞在、そして退室まで”を通したシームレスな体験設計を支える強固な基盤プラットフォームとして、今後も企業の現場のリアルな声を取り入れながら進化を続けていきます。「出社したくなるオフィス」を作りたい、入退室管理・会議室予約・受付システムの一元化を進めたい、あるいは本質的なオフィスDXによって総務の役割をアップデートしたいと検討されている企業の担当者様は、ぜひお問い合わせください。
ワークスペースの課題や、従業員の働き方に合わせたworkhubの活用方法をご提案させていただきます。お気軽にお問い合わせください。